有川浩『阪急電車』

阪急電車

図書館で借りました。
阪急今津線を舞台にした短編集。「阪急電車」つって今津線てなかなか出て来ないですよね。渋いな！
有川浩の小説って読みやすくて、読んでる最中は楽しくて、感動して、でも読み終わってもう一度読めるかって言われると辛い……面白くないっていうんじゃなくて、胸が痛いので辛い、ていうのが私のお決まりのパターンで、今回もそのパターンではあるのですが、でも読みながらだばーと泣いたし、楽しかったです。読んでみて！と知人に勧めたい本ではある……。
何がだめかというと、＜いい人と悪い人がきっぱり別れてる＞とこ、＜善悪の基準が明確すぎる＞ところなのかな。あれ、これって同じこと言ってるのか……？　どう考えても「いいもん」じゃない人生を送ってる自分としては、ちょっと辛いんですよね。
あと、たとえばこれが「関西ではない地方都市の路線」あるいは「東京の路線」の話だったときにここまで感動したか、っていうと、ちょっと微妙かもしれないと思いました。今津線はせいぜい5回しか乗ったことないとはいえ、なんとなく分かるところだから、っていう親近感もぜったいあると思う。でも、親しみを持って読めたっていうのは、幸運なことだと思っています。

ところで、はまぞうで「阪急電車」を検索したらこんなものが出てきたよ。何なのこれ。

阪急電車「河原町駅に着いたら起こしてください」 キャップ(ホワイトxホワイト)

大学時代、乗換駅の烏丸で寝過ごして河原町で折り返し、気が付いたら梅田、とかで、その日はついに京都の土を踏めなかったという伝説を持つ後輩、R太郎に送ってあげたいです。