ミドリコ雑記帖

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混声合唱団名古屋大学コール・グランツェ第30回記念定期演奏会

指揮伊東恵司、ピアノ平林知子で、信長貴富の新曲、混声合唱曲集『いろとりどりのうた』の委嘱初演でした(敬称略なのは省くのが敬称ということで)。
はじめて聞くコールグランツェはクリアな声で発音も美しく、決して多くない団員数ながら、キャパ1800人のホールでまったく不安を感じさせない団でした。4ステの『いろとりどりのうた』ではOV(OBOGのことをこの団ではこう呼ぶらしい)さんたちも加わり、けっこうな数に。
『いろとりどりのうた』は川崎洋の詩に作曲された曲集で、遊びの要素がたくさんあって、ちょっと可笑しかったりして、でも恰好よくて、胸にじわっと沁みてきたりもする八曲で、聞いていて楽しくなったり嬉しくなったり泣きそうになったり、しました。ドラマティックなストーリー性のある詩ではなくて、もっとささやかな(なんというか、視線の範囲が)かんじで、そうだよねつよい感動っていうのは大きなドラマの中だけにあるんじゃないよね、って思いました。
で、たにこんでは絶対にできないことだなあと思ったのですが、この舞台にはいろいろ振りがつけられてて(舞台上で携帯電話のカメラでみんなが写真を撮るという驚きの演出も!)、いや、たにこんでもいまの現役ならそこまではやるだろうけど、OBも一緒にってなったら無理だろうなあ、でも無理って思ってるからできないんだろうなあ、などと思ったしだい。初演の舞台で、あえて<合唱曲>というジャンルにこだわらずに、<楽しい舞台>をめざした(んだろうと勝手に思っている)演出が、曲の楽しさをいっそう引き出したように感じたので、余計にそういうことを諦めたくないなーとも思いました。
アンコールの書き下ろしの曲「なみだうた」もとても素敵で、『いろとりどりのうた』が出版されるときはぜひこれも一緒に!と切望。あてはないけど、ほんとに歌ってみたいです。
しかし信長さんは三月にも名古屋で新曲の初演があるそうで……これだけ心動かされる曲をこのハイペースで書き続けてるって、信長貴富という人はほんとうに生身の人間なんだろうか、とかちょっと疑ってみたくなりました。頭の中とかどうなってるんだろう。体験してみたい。