ミドリコ雑記帖

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プロムジカ女声合唱団

前から一度は聞いてみたいと思っていたハンガリーの女声合唱団の演奏会に行ってきました。
最初に地元の合唱団の歓迎コンサート。
岸和田少年少女合唱団。弱い感じはするけど、よくそろっていてきれい。三声の『夢みたものは』初めて聞いたかも。
合唱団Contrail&大阪府立清水谷高等学校合唱部。意気込みの感じられる演奏。でも勢いはあるのになぜか停滞してる感じ。初速はあるのに遠くに飛ばないボールみたいな……。うーん、なんででしょう。
トリはカンティ・サクレ。大人の深い声。さすがサクレさん。ただiの母音でへんなこもりかたをするのが気になる。『ゆうやけこやけ』とてもきれいでした。『Gloria』はもう少し盛り上がってほしかったな。

で、続いてプロムジカの演奏だったんですが、いやもうポカーンとするほかない。すごいの。40人近くいるのに数人で歌ってるみたいに揃ってて、響きもきれいで、倍音も鳴ってて(っていうか私これが倍音なのか!ってはじめて理解しました!)、もうそれだけで泣けました。美しいハーモニーっていうのはそれだけで力です。ブリテンのミサブレヴィスやフォーレのレクイエムから数曲抜粋。フォーレクはポディウム席と舞台に分かれて歌うのが、天の声の地上の声という感じで、素敵でした。でも普通の合唱団じゃ、あんなに離れてたらそれだけで怖くて歌えないよね!
そして一部の最後は大好きなBieblの『Ave Maria』。歌ったことのある曲ですが、こんな曲だったんだー!と思いました。ゾリと合唱が自然になじんで、響きあって、私ほんとに涙目でした。

二部ではコチャールとかコダーイとか日本民謡とかいろいろ。私は一部ほどはぐわっとこなかったんですが、知らない曲だからかな。それでも唖然とするほど美しいです。この合唱団の声って、ソロの人とは違う、ちょっと硬い響きがするんですけど、聞いててぜんぜんストレスを感じなくて、飽きないのです。
そして日本民謡が面白かった。『さくらさくら』は、発音の微妙な違いくらいしか気にならなかったのですが、『会津磐梯山』や『ソーラン節』のような曲になってくると、曲は日本民謡なのにポップな印象を受けたり、東欧の民謡(ってよく知らないのでイメージですが)のように感じたり、しました。いやだったとか変だったとかいうことではなく、とても面白かったのです。
そして、外国の曲を歌うというのはこういうことか、と思いました。譜面から読み取れること以上に、その文化の中でのお約束、無意識の了解、というものがあって、演奏するにあたってそういうものを承知しているかどうかというのは大切なことなのだな、と思い、しかしそれらを相当に知っているであろうプロムジカの演奏でも、どこかに自国の感じがにじみ出るのだな……と思った次第。文化を肌で知る、ということについて、ぼんやりつかめたような気がしました。『会津磐梯山』は特に、ピアノの前奏が『ジングルベル』みたいな印象で、それも面白かったです。
一方で、プロムジカの演奏で日本の現代合唱曲を聞いてみたいと思いました。木下牧子の『五つの祈り』とか、平田あゆみ先生の『小憩』とか、すごく聞いてみたい。アンケートに書けばよかったなあ……