さて、練習後、なこっちとミドリコはエヴォ練……なのですが、「とりあえずなんか食おう」ということで、一緒に下界に下りてきた（練習は山の上だったのです）Ｈ田さんとともに駅前のモスバーガーへ。人生に無駄のない男・なこっちはなんとモスバーガー初体験なんですって。ミドリコとＨ田さんは「これだから田舎者は」「いや、モスは田舎にあるものでは」などと言いたい放題です。ちなみにＨ田さんは三十路目前の独身男性です。
いや、喋った喋った……いろいろ話したのですが、ミドリコの（たぶんＨ田さんも）趣味で、話題は「なこっちの人生相談（主に恋愛・結婚関係）」に。いやぜんぜん相談なんてされてなくて、年上ふたりがあれこれ勝手に計画を練ったり心配したりするという、本人には迷惑極まりない、しかし喋るほうには非常に楽しい(笑)時間でございました。
いちいちあげてるときりがないし障りもあるので伏せますが、この日いちばんヒットしたネタをひとつ。
ミ「なこっちにはＹちゃん（同じ団の大学生）をすすめようかと思ってたんだけど、どっちも大人しすぎてどうもなりようがないんですよね」
（Ｈ田さんいきなり静かに爆笑）
ミ「どうしたんですかＨ田さん」
Ｈ「いや、なんか、檻の中に羊とヤギがとじこめられてるところを想像して、そりゃどうもなりようがないよなーと思って……」
確かにそんな感じではあります。
ちなみに後でもういちどこの話題になったとき、なこっちは雄雄しく言い放ちました。
「わかりました、じゃあ戦闘的なヤギになります！」
思わずその場にくずれおれる年上組ふたり。「違う！」「そこはトラとかライオンとか」「狼とか」「羊の皮をかぶった狼とか」「そういうのになるべきところなの！」つくづく楽しいお人であります。
恋愛相談系とは直接関係ないけど、ミドリコに印象深かったのは「ひとりで『タイタニック』見に行ったんですよ。大きな船が見たくて」という一言でした。ま、そのあと「さすがにさびしかったしうらやましかったですよ」と続いたんですが、そうかー、大きな船を見たくてタイタニックを見に行っちゃうんだ。大きな船とか飛行機とかの話をしてるなこっちってほんとに嬉しそうなんですよねー。きみ、そのまんまでいたらぜったい、きみの好きなタイプの子にモテるよ。おまえの問題は猫かぶりすぎなところやッ、と説教モードに入るミドリコなのでした。ぜんぜん人の心配してる場合じゃないんですが。それにしてもこのヒトはほんとーに「少年」なんだなーとミドリコはしみじみ思うのです。いや楽しかった。
