ミドリコ雑記帖

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シティーフィル練習

一昨日本番だった北村敏則先生の練習。着いたときには「Te Deum」の5番、フーガの部分をやっていたようでしたが、しばらく歌わせずに先生のお話が続きました。
手を変え品を変え、先生がずっとおっしゃってたのは「音楽が貧しい」ということだと思います。<こう書いてあるからこう歌う>というだけの、必然性のない歌い方とか、とにかく練習日だから来て歌って帰ればいいんでしょ、としか思えない態度とか。ミドリコはこのところエヴォリュエとかけもちなので、「ああ〜、こりゃ音楽じゃないわ、ただの音だ……」と情けなくなることがたびたびありました。でも、アマチュアだけで(うちは指揮者もアマチュアです)やってるならこれが限度か、とも思っていました。その、こりゃ無理だと思っていたことを、北村先生はたった2時間で変えてしまわれたのです。プロってすごい……っていうか、北村先生ってやっぱりすごい。
オペラの練習を例にとって話されたのは、たとえば「初めて会った」という場面なら、何百回練習していても、初めて会った驚きが出ていなければならないんだ、ってこと。「あなた」って歌うなら、その被写体(と先生はおっしゃった)が見えていなければいけないってこと。オペラじゃなくって宗教曲でも、そういうものって必要なんですよね。だって音楽が生きてくるもん。
あと、直接関係ないけど面白かったのが、rit.の効果。rit.することで、疑問のニュアンスが含まれてくる、というのです。「あなたが好きだ、愛してる、絶対変わらない〜♪」って歌っていても、最後にrit.すると「……はずなのに?」と首を傾げたくなってしまう、と。これを目の前で実演してくださったのですが、面白かったです。あの面白さ、ミドリコの筆力では再現できないなあ……残念。
sopがむき出しになる場面が多いのでsopの指導ばかり続き、他のパートの方にはつまらなかったかも。でも、どのパートにもいえる、っていうか歌うときに心しておかねばならない、すっごく大事なことを教えてもらった気がします。やっぱり先生はミドリコの神様だわ!

うちの神様、11月23日には10年ぶりのリサイタルを開かれます。興味をもたれたかたはぜひ。