ミドリコ雑記帖

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村山由佳あれこれ

すべての雲は銀の… Silver Lining〈上〉(講談社文庫)
永遠。
天使の卵 エンジェルス・エッグ (集英社文庫)

面白いと思うんです。新作が出ると読みたくなるし、実際引き込まれてしまうし、九割まではとっても楽しんで読んでいるのですが、残りの一割がどうしても肌に合わない。決定的なところで違う!と感じてしまう。ので、ものすごく語りたくなってしまうのです。

何が合わないかって、村山由佳の人生哲学とでもいいましょうか。人に優しくする、とか、恰好よく生きる、とか、そういう、これがこの話のオチです、というところ。これが言いたくってこの物語を書いてるんです!ていう感じのところになると、うわぁぁぁ違うよなんだよ馬鹿野郎!って言いたいくらい苛々するんですよねー。

たとえどんな事情があろうと、自分を捨てた恋人を恨まないなんてありえない! とミドリコは思うし、ほんとに好きだった恋人を失ったらどんな理由でもすごくすごく傷つくでしょう。まだ辛いのに心から恋人を幸せを祈るなんて絶っっ対に無理だし、ましてやそれを許すなんてできない。っていうか、許すって意志の力でどうにかすることじゃなくって、心が自然にその状態になっていくものでしょ、と思うんですけども。許そうと努力するって、できるのはせいぜい「許していると思い込もうとする」くらいじゃないでしょうか。それってものすごく体に悪いと思うんですが。

「怒るとか悲しむとか、負の感情を持っちゃいけない、て話って多いよね。ほとんど布教してますよね。この不況を体験してると、そういうなっちゃうのかしら」
よく本の話をしていたお姉さんの談。うん、涙をこらえて笑顔を作るのって恰好よさそうだけど、泣きたいときにちゃんと泣くことのほうが大事だと思うんですよね。またそれが、慰めてもらうために泣く、とかいうことになってくるとややこしいんですけど。

そういうわけでときどきとても苛々するのですが、村山由佳は面白いです。だけど、友達にはなれないだろうなあ。苛々して。(あちらが願い下げでしょうか……?)