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米澤穂信『遠まわりする雛』

遠まわりする雛

遠まわりする雛

発売前にタイトルだけは知っていて、「たしかに千反田は好奇心につられてふらふらして結果的に遠回りしちゃう鳥の雛みたいだわ」と思っていたのですがそういう話ではありませんでした(笑)。
読み終えたときに苦いというか痛いというか、辛い感情が残ることが多い米澤穂信の作品ですが、意外な読後感を味わってびっくり。短篇集なので、苦い話もいくつもありましたが、最後の最後でこれは。うわーたまらんわー。
最終話の他には、『手作りチョコレート事件』が好きな話でした。細々うるせえやつらだなと思わないでもないですが。長方形の作れない工作員が好きです。あと、『遠まわりする雛』の<手のひらに書いて見せ合う>のは、やはり北村薫へのオマージュなんでしょうか。あっちには、箸袋に書いて見せ合うってものありましたが。
『遠まわり……』については、物語としてものすごく好きであるのと別に、若干の不満がなくもないのですが、そのことについてはまた項を改めて。