ミドリコ雑記帖

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宮部みゆき『誰か』

誰か ----Somebody

どうして宮部がこの作品を書こうと思ったのか、考えてみたくて再読。
人を描くのは天下一品なミヤベですが、書き込んであるかどうかとは別に、その人物が好きなのか嫌いなのかって、けっこう露骨に見える気がします。まっとうに生きて働いてないミドリコは、やっぱりミヤベには会えない……。『誰か』の語り手のことも、ミヤベ、大事ではあるけどそんなに好きではないんじゃないかなあ。とても淡々として見えます。
これを読んだミドリコの父親は「パーネル・ホールみたいだ」とのたまいましたが、それにしては暗くないか……?
で、冒頭の疑問、ミドリコなりに考えてみた結果は、<ミヤベは「幸せ」について書きたかったんじゃなかろうか>です。いろんな形の幸福と、あるいは不幸と、人がどう向き合うか。自分の置かれた状況を、幸福と感じるのか、不幸だと思うのか。幸福におびえたり、不幸に目をふさいだりする人たちを描きたかったのではないかと思うのです。