宮部みゆき『おまえさん』

おまえさん(上) (講談社文庫)

おまえさん(下) (講談社文庫)

文庫派なので文庫本をゲット。

『ぼんくら』シリーズ第三作。宮部みゆきの中で一、二を争う好きなシリーズです(争ってるのは『パーフェクトブルー』。マサと進也と糸ちゃんが好き)。読んでも読んでも終わらないのが嬉しい。キャラクターが立っていて、ごはんがおいしそうで、人々のまっとうな心根が気持ちよくて、ところどころ泣けるけど、もっといっぱい笑える。

ただ今回は、前半ものすごく楽しかったんですが、後半ちょっともやもやしないでもなかったです。結末がなんだかすっきりしなかったのと、「男はナントカで女はナントカ」って言われてしまうと、たとえ時代ものでも私はなんだかもやっとするのとで、なんとなくもやもやもや……という。あとたぶん、淳三郎がちょっと苦手なんです私。あの人が出てくると、宮部の現代ものを読んでるような気持ちになっちゃう……現代ものも好きだけど、時代もののほうがもっと好きなんですたぶん。あとね、淳三郎ちょっと『クロスファイア』の彼(名前忘れた)を彷彿させるのでざわざわする。

とはいえ続きが楽しみです。次は何年後かなあ……。