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よしながふみ『よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり』

よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり

よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり

羽海野チカと対三浦しをんの回が読みたくて購入。他の対談相手のうち、こだか和麻志村貴子はちょっと読んだことがありますが、やまだないと福田里香(なんか漫画関係の料理の本出してる人ですよね)、萩尾望都はほとんど名前しか知らないに等しいです……ああ、オタク気質のくせにオタクの教養はない私。
少女マンガの歴史とかにはあんまり興味がないのでそのへんの話は飛ばし読み。面白かったのは羽海野チカとの回の異常なテンションの高さ。それから三浦しをんとの二回目が「そうなの!そうなの!」て感じで面白かったです。
よしながふみが何度も「男女でも女性同士であってもやおいはある」と主張していて、それがこないだから考えてたことと近くて面白かったです。私がやおい妄想や作品を楽しむとき、そのメインとなるのは「なじまない関係」「反発し合う関係」だと思っています。男女や女性同士のカップルで考えてみたとき、恋愛に限らずその関係性は、寄り添おう、完結しよう、とする。でも男性同士で想像してみると、ふたりの関係は、磁石の同極のように反発し続けて寄り添わないまま持続することが容易なのです。そして「なじまない関係」には名前がないけど、男同士の恋愛には「やおい」という名前のついたジャンルができたから、同好の士がたくさん集まって繁栄してるんじゃないかなーと思うわけです。私にとっては、松浦理英子の『裏ヴァージョン』の家主と昌子とかの関係が同種の興奮を呼び起こします(私はこれをやおいと呼ぶのはしっくりこないけれど)。

まあそういう反発する関係なんて微塵もないようなBLだってないわけじゃない(ていうか最近はそのほうが多そうなイメージ)けど、ただのエロ本だっていいじゃんねーと思ってたら、こんな発言もあって手を打ったり。

よしなが やっぱりまだ、BLに対しての偏見のようなものはありますよね。たとえば、批難されるときに結局エロ本じゃないかというような言われかたをしたり。私もその側面は否定しませんが。
三浦 エロ本で何が悪いんだという気もしますけど。

でもあんまり公に認められたらそれはそれで嫌だよな……と思う気持ちも一方にはあり、なんでヘテロセクシャルのエロものじゃだめ(だめっていうか別の物)なんだろうなーとも思い。そんな感じで、いろいろ刺激があって面白い一冊でした。