ミドリコ雑記帖

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祝福される幸せ

「君がいないとき、ジェームスや、アンジェラや、アンディと出会って
生まれてはじめて、君以外の人間を深く愛した


これは大事なことなんだ
だからこそ、君ともふたたび出会うことができたんだと思う


自分たちだけが幸せでいればいいという気持ちでは
気がついたときには、きっと多くのものを失っているだろう


そのことを――
覚えておいてほしいんだ」

伸たまき(獣木野生『パーム オールスター・プロジェクト』

何かいいことがあったとき、周りのだいじな人みんなに「おめでとう」って祝ってもらいたい。「よかったね」って言ってもらいたい。わがままかもしれないけど、そう思います。
周りの人を切り捨てて置き去りにして幸福になるんじゃなくって、解ってもらいたい。っていうか、周りの人を置き去りにした幸福って、それはもう幸福じゃない、なにか別のものだと思うんです。少なくともミドリコにとってはそうだなあ。
理解してもらうことって、遠回りな道に見えるけど、ほんとはそこがいちばん近いんじゃないかなあって思うのです。

はじめてパームを読んだころは、それこそ無人島でふたりで幸せになりたいと思ってたし、江国香織の『きらきらひかる』なんか読んで、なんで睦月はこんなどうでもいい人の理解をとりつけようと必死なんだろうって思ったものですが、でも、そういうことだったんだなあと思う10年後のミドリコ。ま、理解してもらうような幸せにありつけるかどうかってのは、またぜんぜん別の話ではありますがね(獏)。