「じゃああれか
これから起こるかもしれないが
まだ起こっていないことで悩む
いつもの癖か」
(伸たまき『オールスター・プロジェクト』)
「俺たちゃみんな変態だ!
それのどこが悪い?」
(伸たまき『愛でなく』)
考えてみれば奇怪なことだが、どうせ私は奇怪な女なのだから細かいことにこだわる必要はない。
(松浦理英子『親指Pの修業時代』)
……「それが愛なら汚い愛ね」と言われたことがあり、トリスティーンは口には出さなかったけれど「汚くて上等」と思った、少しも汚い所のないものなんて信用できない、どちらかといえば塵一つ落ちていない道よりは犬の糞でも落ちている道を歩きたい、……
(松浦理英子『裏ヴァージョン』)
……犬の糞はちょっと勘弁してほしいけど。
これらは、ミドリコの好きな、というか、心の支えにしている、というか、理屈をすっとばして言えば「これが自分だ!」というか、そういう科白です。しかし偏ってるな。出所も内容も。
自分がどういう人間かを他人に伝えたいとき、これらの言葉が代わりに語ってくれるんじゃないかな、と思っているのですが。