松浦理英子『裏ヴァージョン』

裏ヴァージョン

きのうろちさんと話していて、「めちゃくちゃ切ない話」といって『千代子』を読ませたら、「どう反応していいのかわからない」とのつれないお返事。ミドリコにとって『千代子』は、「諦めたけれど捨てられない夢、淡々とした絶望の底で見た奇跡」という、非常にせつない物語なのですが。
そんなわけでなんとなく再読中。いちおう短篇集のような体裁なので、気の向いたところをぱらぱら拾い読みしています。いまは『ジュンタカ』を読んでいるところ。やっぱりせつないと思うんだけどなあ。「ホモセクシュアル・ドリーム」とか「ヘテロセクシュアル・サマー」とかがまずいのかなあ。