津原泰水『赤い竪琴』

赤い竪琴 (創元推理文庫)

東京創元社だしミステリなんだろう、と何の疑いもなく読んでいたけど、なんと恋愛小説だったらしい。津原泰水名義になってからはどうも身構えてしまうので、身構えたまま読み終えて意外さに呆然とした。思えば、私の好きだった津原やすみのタッチにいちばん近い作品かもしれない。
古楽器がいろいろ出てくるのだけど、イングリッシュ・ヴァイオレットは気になる。共鳴のための弦が張ってあるとか、飾りに天使がついてるとか。いつか生で聞くことができたらいいな。