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主な舞台は終戦間際の日本海軍。横山秀夫の『出口のない海』を読んでから、太平洋戦争もののフィクションって読めないわー……と思ってたのですが、この本は意外にも楽しく読めました。それは、大きな要素である<ローレライシステム>が明らかに架空の存在、むしろSFとかトンデモ科学系じゃない?っていう仕組みだったからです。ああこれはフィクションなのね、つくりもののお話なのね、って思って読めたので、『出口のない海』で感じた、「すごくかっこいいけど、これって所詮作り話じゃない?作り話だからかっこよくできるんじゃない?」っていうもやもやを味わわずにすみました。なので、「これってSFじゃない?」って感じてしまうことで興をそがれるタイプの人には不向きだと思います。
「……か、漢だ」って登場人物が多くてキュンキュンしたのですが、唯一、主人公の征人だけがイライラして駄目でした。折笠上工として描かれてるときはいいけど、パウラが絡むととたんに子供になって、青い!鬱陶しい!って思わずにはいられない……その要素が物語を動かしてるんだと分かりつつ、お前さえいなければ、って思っちゃう……最初はもっと淡々としたかっこいい子に見えたのに……。
あと私はフリッツが大好きなんですけど、映画にはフリッツ出てないって本当ですか!あんな萌えキャラ(違)を出さないなんてなんと勿体ない! 高須さんも好きです。みんなかっこよすぎる。しばらく「椰子の実」を歌っては涙ぐんでしまいましたが、あの本を読んだ人はみんなそういうことしただろうって信じてる!
それから、福井晴敏のサイトの悩み相談のコーナー、回答にあった「こっちが隠し事してる気配を察すると、笑顔で『一緒にお風呂に入りましょうか』って言う」っていうのに爆笑しました。ウキウキお風呂タイムなのにね……毎日が試練だわね……。