ミドリコ雑記帖

ミドリコが思いついたことをなんでも書く場所。Amazonアソシエイト参加、楽天アフィリエイト利用しています

有川浩『クジラの彼』

クジラの彼 (角川文庫)

クジラの彼 (角川文庫)

有川浩は、読みはじめと読後感はいいんだけど途中が辛くて辛くて、たいがい読み返せない。『空の中』も『レインツリーの国』も『阪急電車』もそうだった。基本的に再読できない本は買わないので、最近は手を出さないようにしてたんだけど、なんかついふらっと買っちゃった。
自衛隊がらみのベタ甘ラブストーリーでできた短篇集。おお、これはあんまり辛くない! 再読できる! っていうか、潜水艦に興味があるので『海の底』読んでみたくなってしまったではないですか。『海の底』は長篇だし、きっと途中で悶絶するんだろうなー。そう、道中(気分的にそんな感じ)が辛いだけじゃなくて、読後感は爽やかでいいんだけど、なんか微妙に合わないというか、フィクションだから許せるけどその理屈どうなんだろう?て思うところがないでもない。有川浩が悪いんじゃなくて、友達にはなれないっぽいなー、っていう感じだけど、なんていうか微妙に身近な反発をおぼえるんですが。ああ、浅田次郎を読んでるときに近いのかも。浅田次郎ははっきりと、その理屈は受け入れられん!て思うんですけど、実に気持ちよく泣かされてますねえ。……どっちも自衛隊がらみの作家(有川浩自衛隊好きなだけで自衛隊にいたわけじゃないけど)なのは偶然か。どうなんだ。