ミドリコ雑記帖

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米澤穂信『ふたりの距離の概算』

ふたりの距離の概算

ふたりの距離の概算

古典部の新刊。『遠まわりする雛』がこないだ出たところなのに、なんだこのハイペース! 嬉しいけど怖い! と思ってしまったけど、雛が出てからもう二年半も経ってるんですね。年取るって怖い。

ぜんぜん好みのタイプでないにも拘らず、私は折木奉太郎のことが好きで好きで、ホータローが出てくるだけで嬉しくてたまりません。古典部で言うと摩耶花も好きだし、他のシリーズだと小鳩くんも小佐内さんも好き(小佐内さんはもっとも好みの女子キャラです)だけど、ホータローを見てて思う「いとおしい!」っていう気持ちはどのキャラにもない……っていうか我ながらこの思い入れっぷりが気持ち悪い……。

以下ネタバレなので未読のかたはご注意ください。

  • 製菓研究会のふたりが出てきて嬉しかった。あのふたり好きです。たしかにホータローは、顔は見てないよね。
  • 招き猫のくだり、すごく恋愛ものっぽい感じでキュンキュンしました。たまらん。米澤穂信の恋愛小説が出たら悶死できるという確信がいっそう強まりました。
  • 摩耶花とふくちゃんがまとまったことがびっくりするくらい嬉しかった。よかったねえ。ずっと幸せでいてほしいなあ。
  • 摩耶花って、あだ名はかならず名字から取るんだよね(ex.ふくちゃん(福部里志)、ちーちゃん(千反田える)、ひなちゃん(大日向友子))。何かこだわりでもあるのだろうか。
  • 「鏑矢中学の惣多さん」は、「大日向の友達」の兄弟とかではないよね? 単に名前の音が同じ(可能性がある)人だよね? だってひなちゃんの友達はホータローが卒業してから転校してきた子で、惣多さんはホータローの中学の友達なんだし。そのへんの関係がいまひとつ分からん(基本的に推理小説読むのに向いてない)。
  • 読者としての私は「千反田は意図的に大日向を追い込むような子ではない」と思う。それは「ちーちゃんがそういうキャラクターじゃないから」だ。摩耶花はもっと早い段階で(古典部に入って間もない頃、少なくとも文化祭の頃には)そう思ってるように見える。でも、ホータローは、一年一緒にいて、少しだけど確実に千反田のことを知ったから、その上であいつはそういうことをしない、て推論を立てるんだよね。それはとても、愛じゃないかと思う。めんどくさい奴だなーとも思うけど。
  • めんどくさいといえば、ひなちゃんの問題も、結局は彼女にしかどうしようもないことであって、ホータローが今回したこと(<千反田がすべてを知った上で大日向に圧力をかけている>というのは大日向の誤解だと解き明かすこと)、あとは話し相手とか相談相手になるくらいが精一杯だと思うんだけどな。たとえ相手が校内の子だったとしても、それは一緒だと思うんだけど。ふくちゃんが摩耶花と付き合えないって思ってた時にも思ったけど、「そこまで考えんなあかんのん? ええやんもっと適当で!」て思うんですけどね。でも、苦いなあ……。