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万城目学『鴨川ホルモー』

鴨川ホルモー

鴨川ホルモー

先日ひさしぶりに会った知人に「なんか面白い本あった?」と訊いてみたところ
「『鴨川ホルモー』って知ってます?」
「鴨川ホルモン? なにそれ」
「京都が舞台で、主人公は京大生で、京産大立命龍谷と京大が式神を使って戦うんです」
「はあ? それどこの文庫?」(どっかのライトノベルのレーベルだと思った)
「いや、ちゃんと千何百円かで、単行本で出てます」
「はああああ?」
というやりとりがございまして、とても気になったので買ってきました。産業編集センターというあんまり聞かない版元ですが、ちゃんと単行本です。ボイルドエッグズ新人賞第4回受賞作だそうです。ボイルドエッグって、三浦しをんの所属してるエージェントだよね。
ストーリーは(恐ろしいことに)だいたい上記の会話のとおりです。京都の学生の生活がリアルな感じに伝わってきて、というか私の場合は作者とほぼ同時期に京都で大学生活を送っているので、すごくすごく懐かしかったです(いや勿論、式神を操って戦ってたわけじゃないですけど!)。地名が具体的だからもあるかな。主人公が京大生なので、わりと左京区寄りです。「おらんじゅ」とか出てきちゃうし。
<吉田代替わりの儀>にはだいぶ笑いました。あと、最終戦の場所にちょっとのけぞりました(笑)。
まあそれはともかく、<他人が見たらどうでもいいことに一生懸命になってる>というのが大学時代だとするなら、『鴨川ホルモー』は、大学時代を見事に描いた小説だと思います。ばかばかしいけど爽やかでちょっと懐かしい物語です。