ミドリコ雑記帖

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宮部みゆき「日暮らし」

日暮らし 上
「怖い」「友達にはなれない」てな印象の続いてたミヤベ作品のなかで、ひさびさにヒット。いや、ええわこれ。ミヤベの時代物長編ってもともと好きなんですけど、「物語として好き」っていうより、ひとつひとつのエピソードが胸を打ちます。恋心のはじまりの頃のなんともいえないせつなさとか、信頼のかたちとか、自分の不甲斐なさといかに向かい合うかとか、「そうそれ!」っていうところをずばりと言い当てて、「もしかして私のために書いた?」っていいたくなるんですね。そういう本はときどきあるけど、これをミヤベの筆力でやられたらたまりませんな。あと、ミヤベの書く食べものって、現代ものだとあんまり印象に残らないのに(すすけた喫茶店ばっかり覚えてるなー)時代物だとものすごーくおいしそうです(笑)。