2004-11-25 恩田陸『夏の名残りの薔薇』 book うーん、いかにも恩田陸くさい。 巻末のインタビューで「引きが命」と自らおっしゃってますが、どれだけ驚かせられるか、どれだけ話をひっくり返せるか、どこまで意外な結末を用意できるか、ってことに楽しみを覚える人なんでしょうね。 山奥のホテルで毎年くりかえされるお茶会、グロテスクな老女三姉妹、魅力的な姉弟、残酷でクラシカルで不条理な物語。二重写しのように挿入される実在映画のストーリー。何が起きたのか、何が起こらなかったのか? 好き嫌いは分かれるでしょうけれど、実に恩田陸らしい作品です。