ミドリコ雑記帖

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川島誠『800』

800 (角川文庫)
初読は高校生のときでした。図書室で借りて読みました。スポーツなんて全然わからないけれど、800mを走るということが、ものすごく面白く思えました。純情な高校生には受け付けられないところも多少あったんですが(我ながら信じられないけど……)、でも、それを超える爽快感があって、好きだと思った一冊でした。
そのときは単行本で読んだのですが、いつの間にか文庫になっていたようで。
本能だけで生きてるような中沢と、そこまでクールじゃなくっても、てくらい理性派の広瀬。高校生は断然広瀬が好きだったんですが、いま読むとどちらも魅力的だなあ。ふたりとも、ちゃんと自分のことをわかってるから、読んでいて落ち着きます(そうか、『バッテリー』の苛々の原因はそこか……)。
興奮するんだけどどこかクールで、子供っぽいけれど余裕があって、爽やかで、熱くて、無性にせつない。鍛え抜かれた体なんて持ってないけど、いてもたってもいられなくて、地面を蹴って走り出したくなります。

大矢博子さんの「なまもの!」で書評がupされたのでリンクを貼っておきます。→こちら