ミドリコ雑記帖

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ill.bell『the way we were』

 大好きなill.bell先生のbellz monologueが再販されまして、大好きなthe way we wereが再録されまして、聞き比べてたらいろいろ言いたいことがでてきたので思うままに書き記すエントリです。ネットラップ知らない人、ていうかこの曲聞いたことない人にはなんのことやら分からない内容ですみません。

 再録は声が落ち着いてて、最初の録音の熱い感じはちょっと減ってるんだけど、そのぶん、胸にくる気がする。最初の録音が、大切なものを失った生々しい痛みを歌っているとしたら、再録のほうは、もうその痛みすら遠くなってしまった切なさを感じさせる。

 私は最初の録音の「この町の人口が一千万人で見える範囲 改札に数百人 イコールすれ違う確率は何分の一?」のとこ、その計算で会いたい人とすれ違う確率は出せないだろう……と思いつつここからラストにかけての部分がすごく好きで、もういくらか狂気の領域に踏み入ったような「そこに 何故? 奇跡みたいに 何故 今 このタイミングで すぐに 振り返れば そこに」のとこで泣きそうになるんですけど、そのへんの自暴自棄なくらいの激しさは最初の録音のほうがいなと思う。
 でも、再録のほうは、言葉がちゃんと届いて、その分、とても寂しいものをひとつひとつ胸の真ん中に置いていかれるような、そういう感じがするんですよね。

 設定としては、ずっと昔に別れてしまった人をいまも思っていて、ていう歌だと思うんですけど(元ネタなんだろう秒速5センチメートルについてはほとんど知らないので、どの程度オマージュなのかとかもよく分かってません、すみません)最初の録音が、失ったんだ、辛いんだ、どうしたらいいんだ、っていう主人公の叫びなのに対して、再録は、あの頃のように激しい痛みではないんだけど、あなたを失った部分はまだ埋められてなくて寂しいままの主人公の、あなたはいまどうしているのだろう、もう無理なのだろうけど、叶うならあなたに思い出してほしい、ていう歌だと私は思いました。最初の録音が「僕」の歌だとしたら、再録の焦点は「君」なんじゃないかな、と。私は、どっちも、すごく好きです。

 で、こうやって、年を重ねて同じ歌を歌ってくれるのっていいなーと思いました。クラシックでは普通にあることだけど、ラップというか、ポップスではあんまりない気がします。リミックスはよく聞くけど、トラックは基本的には同じで歌が違うって、いいですよね。10年後の再録、とかって、いろんなラッパーさんが昔の自分の歌を再録してくれるアルバムなんてあったらいいなーとちょっと思いました。

 そういえば、再録の最後の、i loved the way you smile……のとこすごく好きなんですけど、最初の録音にはなかった5分37秒から40秒あたりのあれは何て言ってるんでしょう……誰かわかる人いらしたら教えてください……(ヒアリングできない上に英語力もない)。

※たぶんもうちょっと書き足します。