横文字のファンタジー小説は苦手なので多少とっつきにくかったのですが、出だしを乗り切ればあとはたいへん楽しく読めました。勾玉三部作と同じ匂いがするのは、「少女と少年の成長物語」だからなのでしょうか。ミドリコは成長物語が好きです。甘いといわれても、フィクションには夢を託したい。
このところずっと言っている気がするけど、自分のことをわかっていること、自分のことをわかろうとすることって大事。自分らしくない我慢をしないことも大事。実はすごく難しいことだろうけど。
この宮廷で一生を、ルーンに会わずに暮らしていくことはできない。それでは自分の何かが死んでしまう。
深く深く同意。ただ問題は、フィリエルとルーンはそれでよかったわけだけど、自分のなにかを殺さずにすむ道が、他人の何かを死なせてしまうかもしれないということですね。それではまだまだ甘いのかもしれないけど……運命ってビリヤードの球のように、次々に人の運命を動かしていくものだと思うから。