先日『マリア様がみてる』を貸した友人(男子)に、「女の子がお姉様ものにきゃあきゃあ言う気持ちがよくわからない」と言われてうまく説明できなくて、なんて言えばよかったのかまだときどき考えてる。
フィクションの百合もの(あるいは百合妄想ができるもの)にハマるのは、私に関して言えばキュンとするからだ。ふわっとして、甘酸っぱくて、切なくなる。でも森奈津子や西澤保彦の『両性具有迷宮』にはキュンとしない(楽しいけど)。松浦理英子の『裏ヴァージョン』や中山可穂の『天使の骨』はキュンとする。
BLとかやおいとか(あるいはそういう妄想ができるもの)にハマるのも、キュンとするからだ。キュンとするけど、ふわっとはしない。もっと素っ気ないけどときめく感じ。
男女の恋愛ものでキュンとするものもあるけど、男女の関係は安定しようとする、寄り添おうと、完結しようとする。寄り添おうとしていく過程は好きだけど、寄り添ってしまう関係に、私はフィクションとしての魅力を感じないようなので物足りない。反発する関係、なじまない関係が好きで、それが百合ものだったりBLだったりするわけです。
エロを求めてる気持ちももちろんあるけど、キュンとするエロが読みたい。で、男女もののエロというか男性向けエロってなんかゲスい感じが常にあってキュンはなくって、どうしてあんなに男性向けエロものはゲスいのかと怒りを訴えたら、「実用にはゲスさが必要でキュンは不要」と言われ目から鱗が落ちました。そうなのか……！でも、少女コミックとかの女子向けエロも、あんまり作品は知りませんが、知っている限りではあんまり(私の求める)キュンには欠ける感じで、だからなんでBLとか百合ものが好きなのかっていうと、「(キュンにおいて)当たりを引く率が高いから」に尽きる。
で、「お姉様ものにきゃあきゃあ言う気持ち」＝「キュン」だとすると、彼の質問に答えるには「キュン」の内訳を説明すればいいんだと思うんだけど、もうこれは、キュンはキュンなんだとしか言えない。これをこそ説明したいんだけど、難しいですね。
