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松浦理英子『最愛の子ども』

最愛の子ども

最愛の子ども

松浦理英子の新作が2017年に出ていたことに気づいていなくて、あわてて買って読みました。
松浦理英子は高校生のときに出会ってとても影響を受けた作家で、その中でもいちばん好きなのは『裏ヴァージョン』なのですが、それに迫る勢いで好きな作品だと思いました。

「パパ」と「ママ」と「王子様」とみなされている三人の女子高生と、それをとりまく人たちの物語。作中の少女たちに向けられるまなざしのやわらかさが心地よくて、読んでいるだけで幸せでした。
中でも「ママ」である真汐が愛おしくて、最後の2ページのモノローグは何度読んでも泣けてきます。

パパとママと王子様以外の少女たちも心地よい描かれ方をしているのですが、その中でも、「思いを捧げる者」希和子の話はもっと読みたかったですね……こういうやわらかいタッチの話にはならなかったのではと思いますけども……。

とにかく本当に、読んでよかったし、やっぱり松浦理英子好きだと思いました。万人におすすめはしませんが、好きだと思う人がいたらめちゃくちゃお話ししたいです。

最愛の子ども (文春e-book)

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